バッハとパイプオルガンについて

ピアノコラム

6月21日にはバッハの時代の鍵盤楽器についてお伝えしました。

特にピアノの前身であるチェンバロについて詳しくお伝えしました。

しかし,バッハにとってもう一つ大切な鍵盤楽器が有ります。

それはパイプオルガンです。バッハは宮廷に仕える音楽家であったときもありますが、

彼の人生の半分以上は M.ルターによってひらかれたドイツ福音主義教会での礼拝音楽の

作曲家でもありました。オルガンは実は鍵盤楽器の中で一番歴史のあり、

時代と共に発展してきた楽器です。さかのぼること紀元前3世紀頃、水の圧力でパイプをならす

水オルガンというものが作られたと言われています。その後、歴史的な絵画の中にも天使が膝に載せて

いる小さなオルガンが描かれていますが、ふいごに風を送りその風でパイプをならす様になりました。

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当時は人間がふいごに風を送っていました。その仕事はとても体力が必要で忍耐力も求められたと

いいます。

裏方の仕事には、体力と忍耐力が必要だった

バッハの活躍したバロック時代はオルガンの建造が盛んに行なわれた時代でした。

その頃は電気が発明され、ふいごは電力で動くようになっていました。そのおかげで

パイプの数の多い大型のオルガンがゴシック建築の大きな教会に備えられていきました。

バッハの仕えたアルンシュタットの教会も最後の27年間仕えたライプツィヒの聖トーマス教会にも

立派なオルガンがありました。私はその二つのオルガンを弾いたことがあります。バッハが演奏したであろうことを考えたときは感慨深い物がありました。

バッハは礼拝で用いられる1年間の教会の暦にあった讃美歌をテーマにしたたくさんのオルガン曲を書いています。様々な趣向を凝らし,テーマの讃美歌の旋律が譜面の中に息づいています。それらを弾くたびにバッハの豊かな才能にため息が出ます。

礼拝で用いられる曲ばかりでなく、よく知られている「トッカータとフーガ」ニ短調のような壮大なオルガン曲もあります。キリスト教の伝統があり、響きのよい教会があり、そこに立派なオルガンがあったからこそ生まれた曲がたくさんあります。

日本には今でこそパイプオルガンが増えてきました。でも,やはり、長いキリスト教と音楽の伝統があるヨーロッパの響きにはなかなか追いつきません。私の通う教会、日本基督教団霊南坂教会にもパイプオルガンが有り、毎週の礼拝で使われています。水曜日の12時半からはオープンでチャペルコンサートを行なっています。オルガンの音が聞いてみたいと思われる方はどうぞお越しください。7月21日は

私が弾くことになっています。勿論バッハも演奏します。

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